18歳。
洋服屋になることだけを考えて、郡山を離れ東京へ。
専門学校へ通いながら、ピザのデリバリーで生活していた。
ある日、最後のデリバリーで事故に遭う。
前歯は欠け、東京での生活も終わった。
思い描いていた未来は、思っていたよりあっさり終わってしまった。
福島へ戻り、これからどうしようかと郡山駅前を歩いていた。
その時、一軒のセレクトショップが目に入る。
GARDEN。
BROTHERHOODをメインに扱う店だった。
店に入って最初に目に飛び込んできたのは、洋服じゃない。
「STAFF募集」
その張り紙だった。
考えるより先に、
「働きたいんですけど。」
そう声を掛けていた。
「じゃあ、明日面接来て。」
それだけだった。
その日の夜は友達との予定があった。
でも頭の中は面接のことでいっぱいで、履歴書を書いた。
車中泊をして、友達に服を借りて、翌日、面接へ向かった。
仕事の話より、音楽の話。
好きなバンドの名前を話すと、
「なんでそこ知ってんだ?」
そう言って笑った店長の顔を、今でも覚えている。
面接というより、好きなものを語り合う時間だった。
最後に聞かれた。「いつから来れる?」
東京の家はまだそのまま。学校もまだ辞めていない。
何も片付いていなかった。それでも、
「来週からお願いします。」そう答えた。
振り返れば、HARDEEの始まりはブランドを作った日じゃない。
あの日、GARDENの扉を開けた瞬間だった。